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犬の学習・行動原理 弱化の原理|オペラント条件付け

こんにちは、フントフントの清峰です。

今回は、消去と同じくオペラント行動を弱めるもう一つのプロセスである弱化の原理についてお話します。

弱化の定義

弱化にも、強化と同様に3つの要素があります。

  1. 何らかの行動が生起する。
  2. その行動に何らかの結果事象が後続する。
  3. その結果、その行動は将来起きにくくなる(行動が弱められる)。

オペラント行動を弱める結果事象を弱化子もしくは嫌悪刺激と呼びます。

弱化と罰

弱化を「罰」と訳していた頃もありました。しかし、一般の人の「罰」のイメージは行動原理の罰とはまったく異なるものです。

行動原理でいう罰は、行動に随伴する結果事象によって、その行動の将来の生起確率が低下するプロセスを意味しています。

しかし、一般に罰と言われると不快なものをイメージするようです。多くの人は罰を、犯罪やそのた不適切な行動をした人に与えられるものと定義するでしょう。この文脈での罰には、そうした行動をしなくなるだろうという期待の他に、懲罰や報復の要素も含めれています。つまり懲らしめるという意味が含まれています。

行動原理での罰(弱化)は、あくまで行動に随伴する結果事象によって、その行動の将来の生起確率が低下するプロセスです。懲罰的は意味ではありません。

正の弱化と負の弱化

弱化には2つのプロセスがあります。正の弱化と負の弱化です。

正の弱化

  1. ある行動が生起すると、
  2. ある嫌悪刺激が後続し、
  3. その結果、その行動がその後、起きにくくなる。

負の弱化

  1. ある行動が生起すると、
  2. ある強化刺激が撤去され
  3. その結果、その行動がその後、起きにくくなる。

負の弱化の代表的な方法が2つあります。正の強化からのタイムアウトとレスポンコストです。ドッグトレーニングではしばしばタイムアウトが適用されます。

負の弱化|タイムアウト

タイムアウトと消去は、どちらも行動を弱めるので混同しやすいかも知れません。消去は、行動を維持している強化子が停止さます。一方タイムアウトでは、行動が生起した後に、その他の正の強化子も撤去されます。タイムアウトで撤去される強化子は、その行動を強化している強化子と同じではありません。行動を許可している強化子を含め、すべての強化子が撤去されるということです。

無条件性弱化子と条件性弱化子

無条件性弱化子

強化と同様に弱化も動物の行動に影響を及ぼす自然な家庭です。事象や刺激の中には、もともと弱化機能を持っているものがあります。そうした刺激との接触を回避したり最小限にすることが生存にとって価値を持つ場合です。痛み刺激や強すぎる刺激は、危険なことが多いといえます。痛み刺激や強すぎる刺激をもたらす行動は自然に弱められ、そうした刺激から逃避したり回避する行動は自然に強められます。

このように、痛み刺激や強すぎる刺激は生物学的に重要な意味を持っており、これらの刺激は無条件性弱化子と呼ばれます。

極度の熱さや冷たさ、強烈な聴覚刺激や視覚刺激、あらゆる痛み刺激は、その刺激をもたらす行動を自然に弱めます。もしこれらの刺激が無条件弱化子でなかったとしたら、動物は負傷や死をもたらす危険な行動をしやすくなります。

条件性弱化子

弱化子のもう一つのタイプは条件性弱化子です。条件性弱化子は、無条件性弱化子と対提示されることによって、弱化子として機能するようになった刺激や事象です。確立された弱化子と対提示されることによってどんな刺激や事象も条件性弱化子になりえます。

伴性条件性弱化子

「ダメ!」という言葉は、一般的な条件性弱化子です。この言葉は、しばしば他の多くの弱化子と対提示され、それによってこの言葉自体が弱化子となったものです。

このように、さまざまな無条件性弱化子や条件性弱化子と対提示された条件性弱化子を伴性条件性弱化子と呼びます。

弱化の効力に影響を及ぼす要因

強化と同じように、即時性、随伴性、確立操作、結果事象の特性は弱化の効力にも影響を及ぼします。

即時性

行動の生起後、弱化子が即時に提示されたり、行動の生起後、強化子が即時に撤去されると、その行動が弱められる可能性が高くなります。つまり、弱化の効力を高めるのは、行動の生起後、結果事象が即時に後続することだといえます。

随伴性

弱化の効力を高めるため、弱化子は当該の行動が起こるたびに生起しなくてはなりません。その行動が起こるたびに弱化子が後続し、その行動が起きないときには弱化が後続しない状況を、弱化機能を有する結果事象が行動に随伴するといいます。

弱化子は、行動に随伴するとその行動を弱める効力を持ちます。逆に言うと弱化子の生起に一貫性がないと効力が弱いという事です。

確立操作

確立操作とは、弱化子の効力を高める結果事象となる何らかの事態や条件のことを言います。

負の弱化では、強化子が飽和している状態では、それが撤去されても弱化の効力は弱くなります。正の弱化の場合には、ある刺激事象の嫌悪性を強めるような事態や条件があると、その刺激の弱化子としての効力は高くなり、逆にある刺激事象の嫌悪性を弱めるような事態や条件があると、その刺激事象の弱化子としての効力を弱めます。

結果事象の特性

弱化の効力に影響を及ぼす最後の要因は、弱化子として機能する結果事象の特性です。弱化子として機能する事象は、犬によって異なります。ある事象がある犬にとっては条件性弱化子として機能しても、それが他の犬には弱化子として機能しない場合があります。それは犬それぞれの経験や条件付けが異なっているからです。

まとめ

今回は犬の基本的な行動原理である弱化についてのお話でした。

犬の行動を減らすことができる弱化。問題行動のトレーニングの際に適用されることが多いようですが、弱化には様々な問題点があります。

もし、犬の困った行動に弱化の適用を検討しているなら、まずは以下の記事を読んで下さい。

犬のしつけに罰を使っちゃダメな5つの理由