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犬の学習理論・行動原理_単一事象学習_慣れるという学習の仕組み

こんにちは、フントフントの清峰です。

今回は、犬の学習方法の3つ目、単一事象学習についてお話します。
犬が、自分の行動とその結果の関係を学習するオペラント条件付け、起こった出来事間の関係を学習するレスポンデント条件付け(古典的条件付け)、今回の単一事象学習とは、他の何とも関係しない、単一の出来事についての学習です。

単一事象学習その1 馴化

例えば、皆さんがこのテレビを見ているときに、リビングに家族が入ってきたとします。
ふと気になって家族の方を見たりしますよね。これは定位反射と呼ばれます。
しかし、この家族が入ってくるという出来事は大体の場合、あえて反応するほどのことではないので、何度か繰り返されるうちに、特に気にもならなくなります。

犬の場合も同じです。
おさない犬は、テレビの中で犬が吠えたり、ピンポンの音に反応したりします。
しかし、しばらくするとそういった音が自分とは関係ないことを覚え、無視することを学習します。
マンションに住む犬も、ドアの前を通る人の足音が自分にとって意味のないことを学習し、いちいち吠えたてなくなります。
この自分にとって意味のない出来事(刺激)に慣れて反応しなくなることを馴化といいます。

短期的な馴化と長期的な馴化

馴化には、短期的なものと長期的なものがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。

短期的な馴化

短期間に刺激が繰り返されることによって起こる馴化です。
テーブルから本が落ちる音に犬がびっくりしたとしましょう。
数分毎にこれを繰り返すと、犬はすぐにこの音に慣れます。しかし、数時間から数日してからまたテーブルから本を落とす犬はまたびっくりします。
これが短期的な馴化です。
短期的な馴化は、繰り返しの感覚が短いほど起きやすく、一時的に慣れても、またすぐに忘れてしまいます。

長期的な馴化

それでは、本が落ちる音が1時間に1回、もしくは1日1回だったらどうでしょう?
犬がびっくり(反応)しなくなるまでには、とても時間がかかります。
しかし、一度慣れてしまえば2~3日経ってから同じ音がしても犬は反応しません。
繰り返しの感覚を長くすると、長期的な馴化が起こるのです。

単一事象学習その2 鋭敏化

刺激を繰り返せば必ず慣れる(馴化する)という訳ではありません。
馴化とはまったく逆の鋭敏化が起きる場合もあります。

刺激を繰り返し受けたときに、その刺激に慣れるのではなく、逆に反応を起こしやすくなってしまうことを鋭敏化といいます。

雷を怖がる犬に、ひたすら雷の音を聞かせても慣れることはないでしょう。逆に反応が激しくなる可能性もあります。
恐怖のように強い情動反応を引き起こす刺激は、馴化ではなく、鋭敏化してしまうことが多いのです。
怖い映画を見た後に、ちょっとした物音にビクッとしてしまうような感じです。

鋭敏化された犬は、その原因となった音(刺激)だけではなく、あらゆるものに過剰に反応するようになります。
周囲の出来事すべてに対する警戒のレベルが高まるのです。

馴化されるときと鋭敏化されるときの違いは?

ある刺激を繰り返し受けた時に、犬がそれに馴化するのか、鋭敏化するのか。
一般的には非常に強い刺激の場合には鋭敏化することが多いと言われています。
逆に、刺激が弱いものなら馴化することが多いです。

まとめ

今回は単一事象学習、馴化と鋭敏化のお話でした。
犬が何かの音に吠えてしまう場合など、犬がちょっと驚いた程度の音であれば繰り返し聞けば慣れてしまいます。
しかし、犬が恐怖を感じるような音(刺激)は繰り返し聞くことで鋭敏化してしまうことが多いのです。

ちなみにご褒美(おやつ)にも馴化が起こると言われています。
トレーニングをしているとき、いつも同じおやつを使っていると犬の反応が悪くなってくることがあります。
変わり映えしないおやつに慣れてしまったということですね。
トレーニングのときにはいろいろな種類のご褒美を用意しておくと、お互いにとってトレーニングがもっと楽しいものになるかも知れませんね♪